現在、正義はまだ「属人的・相対的な美意識」の様な物で、「普遍的・絶対的な真理」には至ってないと思います。
従ってある正義に同調した人が多ければその地域、その時代の正義になります。虚偽であれ錯誤であれ多数を占めた者の主張を採用するのが民主主義です。
中国の正義があればチベットの正義もある。人類の正義もあれば国家の正義もある。団体の正義や個人の正義もある。正義は無限にあり各々が時間・空間を共有しています。
正義が「社会を維持する為の行動」ならばその社会の正義と異なる正義を唱える個人を国家が迫害するのも当然だと思います。
逆にガリレオもドイツの脱走兵も己の正義に従って国家の正義に異を唱えました。
正義は人類の英知と神の見えざる手により「普遍的・絶対的な真理」への道を歩みつつありますが、まだまだ道半ばであります。
1、kibaさんは「公正(fairness)」は「正義(justice)」とどの様な関係があると思いますか?
⇒浦さんが仰る「公正」と「正義」の定義は何なのでしょうか?
2、⑤に関してはkibaさんはそれでよいという考えでしょうか?
⇒まづ国益第一でしかる後に正義・善・美等を考えるのが順序だと思います。ただしその判断は「何年先まで見越すか・分野毎の利害の大小」をどう評価するかで異なると思います。
十字軍からベトナム戦争まで国家が正義を言い出すと、ろくな事にならないと思います。
3、「結局生き残る=社会を存続させるのに最適な行動はどれか」という戦略を評価する事しかできなくなりますが?
⇒先ず社会を存続させる行動を選択した後で正義・善・美等を考えるのが順序だと思います。更に打算に基づく行動は敵と妥協する事が出来ますが、正義に基づく行動は悪と妥協ができません。
4、「核の保有」「奴隷制の復活」「ユダヤ人への迫害」等について
⇒その国が正義だと信じ利益があると判断すれば実行するでしょうが、そうは思わない国が阻止すると思います。
5、「化学兵器の禁止」など社会の存続の為ではなく、人道上の理由で決められた条約などは正義とは全く関係ないといった感じでしょうか?
⇒人道上の理由という一つの正義が多くの国々の同意を得たのだと思います。残念ながら「核兵器禁止条約」にはまだ同意が得られておりません。
6、生き残ったのが正しい事になっていませんか?
⇒生物として最も優先すべきは生存であり、正義ではないと思います。光合成を行うバクテリア・植物以外は全て不義になります。(虫媒花を受粉する昆虫は正義の協力者?)
7、どうして法に限定するのでしょうか?私(未来)がチャーチル(過去)を人種差別主義者だと評価することは法的な営みなのでしょうか?
⇒法はその社会の持つ価値観・倫理観・美意識を纏めたものです。従って法を見ればその社会を容易に理解する事ができるからです。
8、そもそも何で他国が、別の国の行動を「不義」と判定できるのか?
⇒他国が別の国の行動を「不義」とするのはその行動が自国にとって「不利」だからで、「不義」は建て前として主張する場合が多いと思います。