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#376
木岡伸夫
ゲスト

 大塩平八郎の反乱に「利他」の志、「救民」の目的、民衆の「支持」があったとのご指摘、そのとおりと思います。捨身の行動が、結果的に人々の窮境を救う「成果」をもたらした、という認識も正しいと考えます。ただし、最後に、「「手続き」の不備や多少の「犠牲」は容認すべきでしょうか」と書かれている点に、いくらか違和感があります。もしその言い方が通るのであれば、国家に対する反逆、法の侵犯が、場合によって許される、という原則を認めることになる。それは通らない話だと思います。
 大塩は自身の行為が違法であり、反逆罪に当たることを知りながら、乱を起した。法の上で許されないことを知り、その罪科を一身に負う覚悟で事に及んだ。それを「容認する」とされたのでは、その行為の重みが消えてしまうのではないでしょうか。誤解されないよう申しますが、大塩の乱は「義挙」と呼ぶべきです。それが義挙であることと、違法行為であることとが、二者択一ではなく両立するというふうに考えるところが、木場さんと私の微妙な違いであると申し上げます。お判りいただけるでしょうか。
 ちなみに数週間前、NHK・BSプレミアムの『英雄たちの選択』(水・夜8-9時)で、「大塩平八郎」を取り上げていました。画面からおなじみの声が響いてきたと思ったら、薮田貫先生(日本近世史)が出演されていました。先生は、私の主宰する「人間環境学研究」(都市の風土学)の講義に、数年間続けて登場され、「武士の町大坂」というテーマでも講義されたことがあります。TVでは、近世大坂の都市構造と大塩の乱のつながりを、丁寧に解き明かすといった内容のお話をされたように記憶します。あれが再放送されないかな?

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