返信先: 〈あいだ〉を考える(1)についての質問

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#496
浦靖宜
ゲスト

お答えいただきありがとうございます。

2.今、『邂逅の論理』を拝読しているところです。今はちょうど、九鬼とハイデガーの「対話」のところですかね。また拝読した後に、議論できたらと思います。

3.改めて、「二元論の論理」の箇所を読みましたが、まだ少し疑問はあります。

「先ほど見たように、「白でもなく黒でもない」中間としての灰色があるということを、私たちは見とどけました。ということは、第三の法則である「排中律」は正しくない」とあり、それを誤魔化すために、「差異」や「グラデーション」を導入したとのことですが、白と黒の二項対立は木岡先生が分かりやすさのために持ち出した例であり、元々は「白と非白のどちらでもないことはあり得ない」あるいは「白または非白のどちらかが真でなければならない」ということだったと思います。であれば排中律に誤りはないことになります。

おそらく私は二項対立と二元論がいかなる関係にあるのかを理解していない可能性がありますね。

デリダなど現代思想が問題にしたのも「男と女」「西洋と東洋」「本質と現象」「パロールとエクリチュール」といった自明視されていた二項対立で、かつ一方が他方より優位に立っており、それが固定化されているという問題でした。

この「男と女」と言った二項対立と「白と非白」と言った形式論理がどう関係あるのかが、まだ私の中で不鮮明なのかもしれません。

4.排中律から導かれる二値原理では、脳死などの曖昧なものに関してどう扱うのか難しいですね。
加藤氏がどのような理由で「日本人には二元論は身につかない」と言ったのかは分かりませんが、論理的思考は訓練しないと身につかないものなので、日本人だからは関係ないと思いますね。また現代人は訓練していない人も、どちらかというと二元論的な思考で生活しているのではないかと思います。むしろ、私たちは二元論以外のものの見方がわからない、想像できないことの方が難しい問題だと思います。

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