返信先: 大塩平八郎

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#501
木岡伸夫
ゲスト

 お二人に――他のトピックもそうですが、ここでも丁々発止のやりとりが行われていて、一観客としては興味が尽きません。とはいえ、私の書いたことに対するご批判が、議論の中心にあるようなので、傍から「やれやれ」とけしかけて済ますわけにもいきません。問題提起として、少し前の「二元論に対する疑問」の方が、より哲学的であるうえ、お二人以外の投稿者の関心とも重なる、という点で重要です。しかし、それを後回しにして、「大塩の乱」についてのコメントを先に返します。
 大塩の武装蜂起が「義挙」であるのかないのか、がお二人(私も含めると、三人)共通のテーマです。それに絡んで、レジスタンスや市民的不服従をお前は認めないのか、というのが浦さんから私へのクレームです。お二人とも看過されている単純な事実を指摘します。それは、大塩平八郎が大坂町奉行所の与力であり、体制内に属する役人であった、という事実です。その役職は、今日で言うなら、警察幹部。犯罪を取り締まるべき公職にある者が、その地位を利用して、お上に反逆する側に立った。このことの意味は、奴隷が主人に反乱するような場合とは、まったく違います。役職を辞し、浪人の身で一陽明学者として知行合一を実践したら、どうだったか。結果としては、屁のツッパリにもならなかったはず。大塩は、実効性を求めて、体制内でのクーデターを挙行した――類似の行為は、現代でもよくありますが――、そうせざるをえないギリギリの選択として、それをやった。そこに、「義挙」と「違法行為」の両立に、私がこだわる理由があるのです。

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