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#563
浦靖宜
ゲスト

1.ヒンドゥー教も輪廻転生の世界観で、善因善果、悪因悪果の考えがあるので、ヒンドゥー教徒であれば良いことをしたら返ってくると考えているはずです。そして普通に代理母が良いことと思っている人も多いのかもしれません。
そもそも代理母にしろ、臓器移植にしろ、なぜそれが倫理的な問題とされるのかの大きな要因は自分の身体は自分のものであり、神聖不可侵であるという強固な所有権概念があるからだと思います。所有権という概念自体が、自分の身体が生み出したものは自分のものだというところから来ています。自分の身体を使って耕した畑で取れたものは俺のものといったことです。『統治二論』のロックがそうした議論をしています。
もし所有権がなく、人類皆平等が正しいければ、私たち健康体の人たちは全員くじを引いて、当たった人は病気の人に腎臓や角膜などを提供すべきです。一個くらい取られても私たちは死にませんし、それがないと死んでしまう人の命を救えます。功利主義的にはそれが絶対正しい。でも誰もそれをしようとしません。自分の身体は神聖にして犯すべからずという感覚が強いからです。まあ身も蓋もない言い方すれば、多分痛いので嫌なだけでしょうけど。でもなんで自分が他人のために痛い目を合わなければいけないのかというのは、最もな疑問ではあります。私も、「臓器提供しろ」って言われたら、躊躇しますよ。
近代社会とは少し異なる社会の人たちの方が、共同体のために自分を犠牲にすることに躊躇しない傾向はあるかもしれません。

2.日本はイエが重視されたので、個々の人員が誰であるかはあまり問題にされていませんでしたね。
柳田國男がいうように日本は地縁くらいしかない国なので、今、自分の子を求める人が多いのは不思議な気もします。中国やアメリカは家族主義、血縁主義なので、その若い人ほどなんとなくその影響を受けているのかもしれません。核家族化が影響しているのでしょう。
天皇制は一応、血が重視されてはいますね。ただ、天皇家が続きさえすれば、誰が天皇であるかはそれほど重要ではないという点ではやはりイエ制度に似てますね。イエはブランドですから。

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