毎月21日更新 新着情報

2024年2月21日新着情報

1 ゲストからホストへ

ハテ、何の話だかお分かりでしょうか? 昨年2月18日、3年間利用した阪急相川駅近くのアパートを退去し、仕事の拠点を自宅に移してから、丸一年。環境変化の意味をひとことで言い表すと、こうなります――理由は最後に。広めのワンルームから出て、だいぶ手狭の自宅書斎で客人を迎えるようになりました。空間が小さくなった、という物理的な変化だけではなく、それを使用するこちらの意識が質的に変わった、というあたりの事情を書いてみます。

旧のオフィスは、民間アパートの3階、エレヴェーターもなかったので、高齢者や障がい者――私もそうです――に階段を上ってもらうのは酷でした。それでも行事があれば、多いときには12,3名の人が集まり、ソファや椅子が足りず、床に腰を下ろして参加していただく場合もありました。迎えるこちらも、退職後しばらくは体力に余裕があり、昼間に読書会(現「哲学ゼミ」)、夕方から「哲学塾」(現「哲学対話の会」)という二本立てを、楽にこなすことができました。後者は、前半に私の講義と質疑、後半に参加者の発表と対話、それぞれ1時間ずつの配分でした。いずれの行事も隔週開催という、いま思えば、かなりハードなスケジュールでした。

相川のオフィスを使用して3年目、2022年の夏場、春先に新著『瞬間と刹那』を出して一段落したころから、調子がオカシクなりました。強い不安に襲われ、睡眠や食事が十分にとれない、という「うつ」の症状。バスと電車を乗り継いで1時間かかるオフィスへの往き来が苦痛になり、何とか辿り着いたものの、客を迎える気力が湧かずに引き返したこともあります。このさい利用頻度の低い借家をたたもうかと考えましたが、そのまま「木岡哲学塾」の幕を引くべきかどうか――自分の許に集まってくる人たちとの付き合いが、いまや唯一の生きがいである以上、そんなことはできません。秋に入って間もなく、そんなボヤキを口にしたところ、間髪を入れずに動いて、大阪駅前の会議室を確保してくれた方々――FさんとKさん――がいます。「哲学対話の会」がこれまで中断なく続けてこられたのは、この方々を筆頭に、参加されるみなさんの理解のおかげです。ありがとう。

2023年3月、「木岡哲学対話の会」を上記の施設で、「哲学ゼミ」と「個人指導」を自宅の書斎で行う、という〈棲み分け〉を行うようになってから、こちらの意識が変わりました。それまでは、相川のオフィスに出向いていく自分自身が、塾の主宰者であるというよりも、ゲストの一人であるような気分でいました。それは、研究室で学生を迎えていた教師時代の延長ですから、客を迎える主人の心構えではありません。特別の用意もせず、指導者としての責任感もなかったと思います。自室をレッスンの場に充てるようになってから、そういう意識が大きく変化しました。指導の対価をいただくという方針転換も、ここには関係しています。報酬に見合うサーヴィスを提供できているか、という「プロ」の自覚がめざめてきたわけです。「ゲストからホストへ」という見出しは、それを意味しています。恥ずかしながら、これからまだ多少は成長できるか、という自身への期待も、そこにいくらか含まれています。

 

2 木岡哲学塾の活動状況

Ⅰ 木岡哲学対話の会

2023年度の行事は、1月7日の《総括討議》をもって終了しました。2024年度は、3月3日を皮切りに、2023年度と同じ要領で開催します(2月・8月を除く毎月第一日曜、13時-16時、全10回、会場・参加費1000円も同じ)。

 

開催日:3/3, 4/7, 5/5, 6/2, 7/7, 9/1, 10/6, 11/3, 12/1,(2025年)1/5

会場:大阪駅前第三ビル17F第7会議室(開催日により変更あり)

運営方針:1月の本ページでお知らせしたとおり、「生命」と「正義」を二大テーマに、「1哲学講話」と「2 哲学対話」とが、内容的に連携するよう努めます。

 

◎第1回(3/3)の予定

1)哲学講話:《正義の成立》

ソクラテス、プラトン、アリストテレスによる「徳」の追究が、国家における「正義」としての「平等」(配分的正義)へと具体化されていく過程を明らかにします。

2)哲学対話:《配分的正義と教育無償化の問題》

教育の目玉政策として論議される「無償化」が、「配分的正義」の事例として適切かどうかという問題が、発表者によって検討されます。

 

Ⅱ 哲学ゼミ

後期の第6回を、次のとおり行いました。

 

〇日時:2月18日(日)13:00-16:00

〇会場:木岡自宅

〇プログラム

1)テクスト読解:

木岡伸夫『瞬間と刹那――二つのミュトロギー』(春秋社、2022年)第一章。

2)発表と討論:

「明末唯識復興運動の一視点を辿る―王船山の『相宗索絡』を中心に」を主題とする研究発表と討議。

 

Ⅲ 個人指導

〇会場:木岡自宅

〇開催日:月・水・金・日(上記イベント開催日を除く)の、原則として午後(13時-17時のあいだの2時間程度)。事前予約制。

〇内容:読書指導・語学指導・論文指導。社会人の教養支援、学生の研究指導など、個々の希望に応じます。原則は、2週~4週に1回の指導。

 

以上の催しのうち、Ⅱ・Ⅲについては若干名の参加を受け付けます。希望される方は、次のアドレスまで早急にお申し込みください。→n.kioka@s3.dion.ne.jp

 

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