風土学の理論三部作を10年にわたって書き上げたほか、2冊の単著を出版しています。それぞれの内容は、次のとおりです。
〇『邂逅の論理――〈縁〉の結ぶ世界へ』春秋社、2017年
「風土」としての世界の中で、「世界の見方」(風景)をふまえてどう生きるか、という実践・倫理の問題に答えようとする著作。すでに『風土の論理』(第十章)の中で、人と人の〈出会い〉(邂逅)によって風土が成立する、ということを論じました。〈邂逅〉とは、思いがけない出会い、めぐり合い。「邂逅とは何か」「邂逅はどうすれば成立するのか」をテーマとする本書は、〈出会い〉を論じることのなかった、これまでの哲学に対する〈異議申し立て〉となりました。前著とは違い、この本には予期しなかった一般社会からの反応(つまり〈出会い〉)が生じ、BNLのインタヴュー記事「ビジネスにも通ずる出会いの哲学」(2018年4月公開)に取り上げられました。
ちなみに、自身のHPを開設したのは、これを機に〈出会いの哲学〉を実践しなければ、という思いによるものです。