風土学の理論三部作を10年にわたって書き上げたほか、2冊の単著を出版しています。それぞれの内容は、次のとおりです。

〇『〈出会い〉の風土学――対話へのいざない』幻冬舎、2018年

理論三部作に取り組んでいるあいだ、親しい社会人からは、「読むのが難しい」「もっとわかりやすく書いてほしい」といった声が、よく聞かれました。そうした声に応えて、はじめて一般読者向けの新書を公刊しました。短いレクチュアに続いて、教師・学生・社会人の三者による対話を置くことで、なじみの薄い風土学の話題にも、入りやすい仕掛けができたのではないかと思います。教師に食ってかかる学生、教師と学生のあいだに割って入る社会人には、いずれもモデルが実在します。私の授業は、本書と同じく、レクチュアと対話（受講者による発表・討論）を半々とする形式で行っています。

なお本書は、オギュスタン・ベルクによる仏訳が完成し、まもなくフランスで出版される予定です。