Ⅰ 主宰行事について
1)木岡哲学塾
[テーマ]「時間とは何か」
秋期の講義は、第六回「「瞬間」とは何か」まで終了し、残るは第七回「〈邂逅〉の条件」(12.3)、第八回「総括討議」(12.17)のみとなりました。これまでの講義は、すべて動画(約60分)に収録されています。第五回までの分は、以下のURLにアクセスしてご覧ください。
第一回;時間と〈私〉
第二回:瞬間と持続
第三回:時間の比較社会学
第四回:近代の時間意識
第五回:仏教の時間意識
2)『偶然性の問題』読書会
【テクスト】
九鬼周造『偶然性の問題』岩波文庫、2012年(他に、『九鬼周造全集・第二巻』岩波書店、『偶然性の問題・文芸論』[京都哲学選書5]燈影社、も可)。
[日程]
11月10日(水)以後、隔週水曜午後(14:00~16:00)に開催中。2012年4月以降は、開催日時を日曜午後に移す予定です(くわしくは、2を参照)。
読書会についてのお訊ねや新規参加の申し込みは、メール(n.kioka@s3.dion.ne.jp)でお願いします
Ⅱ 2022年に向けて――今後の方針
関大退職から1年8か月、新たに開設したオフィスを起点に、在職中にはできなかった社会活動を手がけながら、現在に至りました。2019年11月に立ち上げた本サイトは、すでに2年を経過しました。ひところ盛んに寄せられた読者からのコメントは、こうした活動への共感、支持を物語る証拠であることを確信し、大いに励みとなっています。オフィスを拠点とする活動は、次の3つです。現状と今後の方針について、簡単に説明します。
- 木岡哲学塾
○現状:春期(4~7月)・秋期(9~12月)の二期、それぞれに統一テーマを設定して、講義プログラム(全8回)を組む。各回2時間のうち、前半を講義に充て、後半の「哲学対話」では、全員での意見交換のほか、希望者による発表と討論を中心とする「ゼミ」を運営する。
○今後:2022年度(4月)からは、日曜午後の開催とする。お仕着せのプログラムを廃止し、その代り、事前にもしくはそのつど参加者から議論のテーマを募って、「哲学対話」を展開する。対話の前後もしくは中途に、当方による「講話」を交える。
○方針変更の理由:昨年7月、「木岡哲学対話の会」(本年3月終了)に登場した梶谷真司先生(東大教授、『考えるとはどういうことか』の著者)の提唱される「哲学対話」に共鳴し、以下の二点を考えついた――①真に開かれた対話の場を用意する。と同時に、②運営責任者として、問題追究の参考材料となる「講話」を提供する。
2)読書会
○現状:関大在職時から、学生・社会人の有志とともに、山内得立『ロゴスとレンマ』(岩波書店、1974年)の輪読会を続けてきた。退職後も隔週に開催、2020年度末をもって同書の読了に至る。2021年度は、山内の遺著『随眠の哲学』(岩波書店、1993年)を取り上げたが、本年10月をもってこれを読了し、11月から九鬼周造『偶然性の問題』に取りかかることとした。本テクストは、日本人哲学者としての立ち位置――東西両世界の〈あいだ〉――を山内と共有する、九鬼の代表作。東西文明の〈邂逅〉という角度から、難解な本書にアプローチすることについて、参加者全員が合意した。
○今後:隔週開催の方針を維持するが、2022年4月からは、日曜午後に時間を変更する。上記テクストの終了後は、参加者の関心・要望に沿って、哲学書・思想書に限らず、幅広いジャンルの図書を取り上げることも検討する。
- 個別面談
身分(学生・社会人)、年齢、性別等を問わず、どなたからのどんなテーマでも相談に応じます。雑談でも結構です。気軽に話しにおいでください。オフィスアワー(金曜午後2時―5時)のほか、水・日(いずれも午後)にもおいでいただけます――ただし、事前に来訪の希望をお知らせください。
以上ですが、2022年以降のくわしい予定については、引き続き本ページでお知らせします。
Ⅲ その他
1)インタヴュー動画制作会
11月から、「自著を語る」インタヴュー動画の制作に取りかかっています。『邂逅の論理――〈縁〉の結ぶ世界へ』(春秋社、2017年)については、年内に仕上げ、来年刊行予定の新著『瞬間と刹那――二つのミュトロギー』(春秋社)については、年明けに制作する予定です。著者である私自身が、自著の勘どころを解説した後、参加者からの質問を受けて答える、という内容になります。完成後は、本サイトで公開します。ご期待ください。
2)『瞬間と刹那――二つのミュトロギー』の刊行予定
上のとおり、私の新しい著書が近々――来年2月?――刊行される予定です。「時間」の問題に関係する専門書ですが、〈知的自叙伝〉の雰囲気もあります。読まれる方にとって、インタヴュー動画がよき案内役となることを期しています。